CMM大学は、鈴木実歩さん主宰の継続サロン「CMM」のメンバーが、ビジネスが飛躍する専門知識を学び深める場として誕生したプラットフォーム。
月2回の水曜講義では、各分野の専門家からビジネスに役立つ高い見識を得られるとともに、学びや気づきをアウトプットしCMMメンバーと交流する時間も設けています。
CMMのサロンメンバーが講師を務めるCMM大学。
本記事では、2023年1月25日(水)10:00より開催された、第1回水曜講義の様子をお届けします!
講師・松村亜里さんのプロフィール
記念すべき1回目の講師を務めるのは、ポジティブ心理学者の松村亜里さん。
亜里さんが専門とされている「ポジティブ心理学」とは、幸せに生きるための心のあり方を科学的に研究する心理学です。
これは病気を治すための臨床心理学や、病気を予防するための公衆衛生学とは異なり、人間のポジティブな部分にスポットを当てるべく提唱された新しい心理学。
留学先のNYで、日本では「弱み」とされていたことが「強み」に変わることを実感した亜里さんは、日・米の大学でカウンセラーや心理学を教える仕事に就きました。
そして学生たちにポジティブ心理学を使って接することで、さまざまなミラクルを起こしてきたとのこと。
現在は「強み」を広げるための講座を主催したり、著書を出したりといった活動をされています。
幸せな人は「強み」を知っている
そんな亜里さん曰く、幸せな人は自分の「強み」を知ったうえで活用しているとのこと。
この「強み」の発掘こそ、ポジティブ心理学の研究分野です。
要は、病気の人の悪いところを見る(What’s wrong?)のではなく、幸せな人はなぜ人生が上手くいっているのか(What’s good?)にフォーカスを当てたものがポジティブ心理学。
このように視点を変えると、カウンセリング時の質問内容が変わってきます↓
すると、導き出される「答え」も自ずとポジティブなものになるでしょう。
感謝・希望など「既にあるものをみる」ことが、ポジティブ心理学の第一歩なのです。
ポジティブ心理学では「性格の強み」に注目
ポジティブ心理学では、生まれ持った才能や身体的能力(Doing・何ができるか)ではなく、各々が持つ興味関心や価値観など、性格の強み(Being・何であるか)に注目しています。
なお、性格の強みとは、人から尊敬され、愛され、重んじられる特性のこと。これを亜里さんは「あなたが、あなたであることの強み」とおっしゃいます。
そして性格の強みは、生まれ持ったもの・育った環境・意志・努力を掛け合わせて育っていくとのお話でした。
◆「強み」は万能薬
また、亜里さん曰く「強み」はウェルビーイング(※)における万能薬のようなもの。
心理的・身体的・社会的にバランスよく満たされた状態
「強み」の具体的な効果は、こちらの通り↓
- 幸せになり、鬱症状が減る
- 身体が健康になる
- あらゆる人間関係が良くなる
- 仕事が楽しめる
- 生産性が高まる
さらに、ポジティブ心理学の研究を行う中で判明した「ある事実」を亜里さんは紹介してくださいました。
それは、社会的成功者の幸福度を調べてみたところ、全員が幸せを感じているわけではなかったこと。
一方、ポジティブ心理学で知った「強み」を活かしている人の幸福度は高く、中には社会的成功を成し遂げた方も数多く存在します。
このことから、幸せになりたいなら「成功」を目標にするのではなく、「強み」を発掘して活かすことが最優先だと分かりますね!
◆VIA診断で「強み」に気づく
そして「強み」を見つけ出すためには、VIA診断を受けるのが一番とのこと。
VIAとは元々Value In Actionの略で、ここでは「性格の強み」を見つけるために作られた調査票を指します↓
VIAは55人の科学者が関わって作成された、科学的根拠に基づく調査票です。
その目的は、精神疾患の診断マニュアルのように「人の悪い箇所を診断する」のではなく、「人の良いところに目を向ける」こと。
VIAでは「強み」を24種類に分類し、そのうちの上位5つ〜7つが「自分を特徴づける強み」とされています。
診断方法の詳細は、亜里さんが代表を務める「ニューヨークライフバランス研究所」のHPに掲載されているので、ぜひご覧になってみてください!
「強み」を発掘してみよう!
続いて亜里さんは、「強み」の発掘方法を教えてくださいました。
◆6つの美徳
まず、24種類の強みを分ける6つの美徳の中から、直感で「自分がしっくりくるもの」を3つ選びます。
講義では、ここで参加者を数名のグループに分け、診断結果や選んだ答えをシェアする時間が設けられました。
シェアタイムの感想はこちら↓
- みんな「正に!」と言える結果で面白かったです!
- このグループ分けには意味がある!と感じました!
- 初対面だけど、第一印象と「強み」がつながっていると感じました!
他の方の診断結果を知ることで、互いに理解を深め合える時間になったのが伝わってきますね!
◆「強み」の2軸
そして24種類の「強み」は、2つの軸に分けられるとのこと↓
それぞれの軸は、これらを表しています↓
- 縦軸:自分との関係で発揮される強み⇔他者との関係で発揮される強み
- 横軸:知的な活動(頭)に基づく強み⇔感情の出来事(心)に基づく強み
これまでに出てきた要素とあわせて結果を見てみると、自分の「特徴的な強み」を視覚的に捉えられるでしょう。
起業家に必須!「強み」を活かす方法
最後に「起業家のための“性格の強み”の活かし方」をお話してくださった亜里さん。
「強み」を活かすと、このような未来が手に入ります↓
そのために大切なポイントは、次の3つ。
- 一番の「強み」で貢献する
- 4つ以上の「強み」を使う
- 「強み」の使い過ぎに注意する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.一番の「強み」で貢献する
まずは自分の一番の「強み」を使って、最小限の力で最高の自分になることです。
すると、本来の自分が持っている力を最大限に活かして人に貢献できるとのこと。
亜里さんは「一番の“強み”は、息を吸うように自然にできること。だから頑張らなくても良い」とおっしゃいます。
一番の「強み」を売れば、がむしゃらに努力しなくても起業家として突き抜けた存在になれるとは…。
起業家にとって「強み」発掘が、いかに大切なものかが分かります。
2.4つ以上の「強み」を使う
次は、仕事において4つ以上の「強み」を使うと幸福度が上がり、その仕事を天職と感じられること。
ポジティブ心理学の研究結果では、使っている「強み」の数と職場での幸福度は密接につながっているのが分かっているそうです↓
自分が持っている「強み」の上位7つから、最低でも4つを仕事に使うと「働くことが幸せ」だと感じられるとのお話でした。
3.「強み」の使い過ぎに注意する
ただ、亜里さんは「自分が持っている“強み”はあまりに自然すぎるため、使いすぎに気づきにくい」ともおっしゃいます。
例えば自分が弱点だと思っていることが、実は「強み」を使いすぎているケースもあるとのこと。
ここで亜里さんは、起業家が特に使いすぎに陥りやすい「強み」の例を挙げてくださいました↓
確かに、どの例も「強み」を使いすぎた結果、自分を消耗させているように感じます…。
そして、もし自分で「強みを使いすぎているな」と感じた場合は、バランスを取るように心がけるのが良いそうです。
具体的には、先ほど使った「強み」の2軸で離れているものを使ったり、他者にだけ「強み」を使うのではなく、自分自身にも使ってみるなど。
また、単純に使う「強み」の量を調節するのも効果的とのお話でした。
「強み」は本来の自分が持っている武器のようなものですが、諸刃の剣にならないよう、うまく使いこなしていきたいですね!
受講者の声
今回の受講者からは、このような声が寄せられました↓
今までで1番レベルで楽しくて役に立った講義でした!強みを意識して使うようにしようと決意できました!
自分の強みをこれまでぼんやりとしかわかってなかったので、今回知ることができて自己肯定感もあがましたし、同じグループの方と共有ができて楽しかったです!!
ポジティブ心理学、はじめて知りました。自分の強みは、身近なところにちゃんとあったと思い、自信になりました。
- 使いすぎに注意
- バランスをとる
- TOP7を4つ以上使う
亜里さんの解説が分かりやすく、楽しく学ばせていただきました。
CMMという素晴らしい方の集まりの中で学べることは、それだけで環境が整っていると感じます。
亜里さんのセミナーはずっと受講したかったので、とても嬉しかったです。
CMMの皆さんと参加することで、色んな共通点が見えたりコミュニケーションも取れて楽しく学べた時間でした。
他にもたくさんの感想をいただき、スタッフも感激しております。
ワンランク上の学びを得る場所として、今後も水曜講義にぜひご参加ください!
まとめ
今回は、CMM大学創立記念として開催された「起業家のための強み発掘セミナー」の様子をお届けしました。
学びを得るだけではなく、亜里さんの柔らかな口調に癒された方も多かったのではないでしょうか?
100名以上のサロンメンバーが参加して活発に意見交換を行う様子は、正にCMM大学のスタートにふさわしいものでした。
さまざまなジャンルのスペシャリストが集うCMMだからこそ実現できる、CMM大学。
ご自身の知識をアップデートさせたり、専門知識を広めたりする場所として活用いただけましたら幸いです。
最後に、素晴らしい講義を開いてくださった松村亜里さん、本当にありがとうございました!