CMM大学は、鈴木実歩さん主宰の継続サロン「CMM」のメンバーが、ビジネスが飛躍する専門知識を学び高め合う場として誕生したプラットフォーム。
月2回の水曜講義では、各分野の専門家からビジネスに役立つ高い見識を得られるとともに、学びや気づきをアウトプットしCMMメンバーと交流する時間も設けています。
CMMのサロンメンバーが講師を務めるCMM大学。
本記事では、2024年5月8日(水)10:00より開催された、第32回水曜講義の様子をお届けします!
講師・たかとり ちひろさんのプロフィール
今回の講師は、エグゼクティブマナーコンサルタント、エグゼクティブプレゼンスコーチとして多くの会社で企業研修を行っているたかとりちひろさんです。
起業前はANAのファーストクラスにて客室乗務員を務めていたたかとりさん。結婚をきっかけに退職後、育児の息抜きに趣味で始めたテーブルコーディネート教室がすぐに軌道に乗った経歴をお持ちです。
また、同じころにIstagramでつながりを得た実歩さんとお会いし、その心遣いに感激したというエピソードも披露してくださいました。
そしてコロナ禍をきっかけに、趣味のお教室から本格的にマナー研修講師としてビジネスへ移行。
2024年2月には「めざチア」にも出演されています。
今回の水曜講義では、そんなたかとりさんがビジネスマナーの基本を教えてくださいました。
ビジネスマナーを身につけよう
はじめに「ビジネスマナーは、どんなときでも必要です」とおっしゃるたかとりさん。
黙っていても研修を受けられる会社員とは違い、個人起業家がビジネスマナー研修を受ける機会は多くありません。しかしビジネスマナーは仕事をするうえで絶対必要なコミュニケーションスキルであり、一人で事業をしていくなら会得しておくべきものと言えます。
そこでたかとりさんは、ビジネスマナーのポイントを「知行合一」「Customer Satisfaction(顧客満足)」「Moment of truth(真実の瞬間)」という3つの言葉と共に教えてくださいました。
◆ビジネスマナーは実践してこそ意味がある
まず「ビジネスマナーを身につけるには“知行合一”が大事」だとたかとりさんはおっしゃいます。
知行合一とは、知識があるだけでは意味がなく、行動を伴ってこそ真に自分のものになるということ。つまりビジネスマナーをいくら学んでも、自然に振舞えるようにならなければ意味がありません。
たかとりさんは、実際にビジネスマナーの励行を心がけた結果、VIP顧客をたくさん抱えるマナーコンサルタントとして活躍するようになりました。
ビジネスマナーを意識して実践していれば、必ず自分の身につきます。自然に振舞えるようになってこそ、一流の起業家だと言えるでしょう。
◆大切なのは「マナー5原則+α」
次にたかとりさんは「高額商品を販売する人は、マナー5原則+αが身についている」と教えてくださいました。
基本的なマナーだけではなく、+αである「お客さまに対する思いやりの心」を示せてこそ、お客さまに選んでいただけるからです。
これらは、Customer Satisfaction(顧客満足)とも言われ、特にVIP顧客を獲得する際に大切な要素と言えます。
というのも、人はお金を支払う時、それに見合う対応も求めるものだから。よって高額商品を販売するなら、価格に相応しい振る舞いも求められるのです。
たとえ正しい敬語を使っていても、言い方に心がこもっていなければ嫌な思いをするでしょう。一方で、親近感があってもマナーが無ければやはり不快に感じるはずです。
VIPのお客さまや企業に選ばれるために、顧客満足を意識した立ち振る舞いを身につけておきましょう。
◆コミュニティリーダーの印象はメンバーのマナーで変わる
さらに「コミュニティリーダーの印象は、メンバーのマナーで変わります」とおっしゃるたかとりさん。
組織に属して物やサービスを売る人には欠かせない「真実の瞬間(※)」というマインドを教えてくださいました。
スカンジナビア航空のCEOヤン・カールソン氏が唱えた「スタッフと接するわずかな時間にお客さまが判断するサービスの質で、組織全体の評価が決まる」という考え方。このマインドの元にスカンジナビア航空は経営危機からV字回復を遂げた。
例えばCMMのサロンメンバーが起業家として商品を売るときの行動は、CMM全体さらには実歩さんの振る舞いとみなされます。
したがって、それぞれがお客さまとの時間を大切にして顧客満足を高めることは、コミュニティ全体およびリーダーの社会的評価や評判を上げることにつながるのです。
どんな場面でも、目の前の方にきちんとしたビジネスマナーで接していきましょう!
ビジネスマナーの具体例
講義の最後にはケーススタディが行われ、たかとりさんはビジネスマナーの具体例を教えてくださいました。
◆名刺交換
まずは、お客様の会社を訪れた際に名刺を交換する手順です。
名刺入れは必ず用意し、すぐに取り出せるように準備しておきましょう。なお、たかとりさん曰く、名刺入れは2ポケットタイプのものがおすすめとのこと。
そして名刺は、先方の職位が上の方からお渡ししていきます。名刺入れを持った状態で名刺交換を行い、お名前の読み方などはその場で確認するのが鉄則です。
互いに部下やアシスタントを伴っている場合は、以下の手順で名刺交換を行います↓
- 自分が先方の上司と名刺交換をする
- 横にずれて自分と先方の部下、自分の部下と先方の上司が名刺交換をする
- 自分は元の位置に戻り、部下は後ろを回って先方の部下の前に行き、部下同士で名刺交換をする
名刺交換が終わって席に座ったあとは、いただいた名刺を名刺入れの上に乗せてテーブルに置いた状態で話をします。先方の部下の名刺はテーブルに直接置いて良いそうです。
また、会合が終わってからも気を抜いてはいけません。帰社後は当日中、遅くとも2営業日以内にはお礼のメールを送っておきましょう。
◆報告・連絡・相談
次に、お仕事には欠かせない報・連・相です。こちらは上司に尋ねられる前に、自分から行うのが大前提。
気を付けるべきポイントは、以下のスライドに示される5点です↓
相手に不快な思いをさせることなく、PREP法(結論から述べて理由と具体例を示し、最後にもう一度結論を伝える方法)で情報を端的に伝えましょう。そして、事実状況には主観を絡めず客観的に伝えることが重要です。
報・連・相がしっかり行われていれば、ミスを未然に防ぎ、大きなトラブルになる前に対処できます。
◆移動時の上座・下座
続いて、上司と共に移動する際の立ち位置や座る位置の注意点です。
エレベーターで移動する際、あなたはどこに乗りますか?
正解は、操作パネルの前(③)。扉を開けておいたり目的の階のボタンを押したりする必要があるからです。
上司がエレベーターに乗る際はドアを抑え、エレベーターの左奥(①)に乗っていただきます。そして到着後は「開」を押しておき、上司が降りるのを待ちましょう。降りた後どちらへ進むかは、エレベーターで移動する間に伝えておきます。
また、上司と一緒にタクシーで移動する際の、座る位置にも序列があります。
タクシーを利用する際には、最も安全性が高い運転席の後ろ(②)が上座、行き先を伝えたり支払いをしたりしやすい助手席(①)が一番下座です。
それでは、クライアントが運転する自家用車に乗る際はどうでしょうか?
この場合は、快適性の高い助手席(①)が上座です。運転してくださる相手への気遣いを示す意味もありますね。そして、助手席の後ろ(③)が一番下座です。
なお、車に乗り込む際は目上の方から座っていただき、自分は最後に乗り込む気遣いも忘れないようにしましょう。
◆プロトコール(国際的な基本儀礼)
最後に学んだのは、プロトコール(国際儀礼)です。
たかとりさんは例として、お茶会に招待されたときの席順を教えてくださいました。
お茶会の場合、最奥のいわゆるお誕生日席が上座なのだそうです。
そして国際儀礼では右が上位とされるため、主役の右側・近い側が序列の高い席。つまり、上の図④番から⑧→③→⑦→②→⑥→①→⑤の順番です。
しかし、窓からの展望が素敵な場合などは景色を楽しめる側の席次が上であるなど、状況によって席次が異なります。マナーは相手を敬うためのスキルであることを忘れずに行動しましょう。
受講者の声
今回も受講者の皆さまから、たくさんの声が寄せられました。
マナーの実践的な学びの時間でした!
ケーススタディで改めてCSの大切さを学ばせていただきました!
とても素敵な学びをありがとうございました!
今回の講義では皆さまが実際に考え答える時間も設けられ、実践的な学びとなったようです。
まとめ
今回はCMM大学第32回水曜講義「起業家としてのビジネスマナーの基本」をお届けしました。
皆さまも今回教わった内容を実践し、一流の起業家を目指していきましょう。
最後に、たかとりちひろさん、このたびは素晴らしい講義を本当にありがとうございました!