CMM大学は、鈴木実歩さん主宰の継続サロン「CMM」のメンバーが、ビジネスが飛躍する専門知識を学び高め合う場として誕生したプラットフォーム。
月2回の水曜講義では、各分野の専門家からビジネスに役立つ高い見識を得られるとともに、学びや気づきをアウトプットしCMMメンバーと交流する時間も設けています。
CMMのサロンメンバーが講師を務めるCMM大学。
本記事では、2023年6月14日(水)10:00より開催された、第10回水曜講義の様子をお届けします!
講師・秋間早苗さんのプロフィール
今回の講師は、脳マネジメント実践コンサルタントの秋間早苗さんです。
秋間さんが脳マネジメントを始めたきっかけは、国内外の組織・事業づくりのビジネスプロデュースをされていたときのこと。
「誰かのために!」という想いで働いているうちに何もかも自分で背負い込んでしまい、心身ともに不調をきたしてしまった秋間さん。一時期は、お薬が手放せない状態に…。
そんな自分を立て直していく過程で脳の理解を深めていったことから、脳マネジメントの大切さを知ったそうです。
現在は長年の夢だったカナダのバンクーバーへの移住を果たし、国境を超えて「脳マネジメント」の魅力を広める活動をしておられます。
脳マネジメントとは?
講義の冒頭で「脳マネジメントとは、馬を手綱で操るように脳を自分で動かしていくこと」とおっしゃる秋間さん。
マネジメントの言葉の根源を辿ると「手綱を持って馬を馴らす」という意味があり、語源には“馬”が関係しています。
つまり脳は馬のようなものであり、脳マネジメントとは脳の主導権を握って自分のやりたいことを実現させる手法のことなのです。
たしかに、脳=馬と考えれば、訓練次第で自分の思い通りに動かすことができそうですね!
起業家ならではの課題を「脳マネジメント」で乗り越えよう
そして今回、秋間さんは「起業家ならではの課題」に焦点を当てつつ、脳マネジメントのお話をしてくださいました。
- 日々の決断
- 仕事とプライベートの両立
- ストレスへの対応
- 顧客やビジネスパートナーとの人間関係
- 使命の言語化・ブランディング
脳は身体や精神、思考などたくさんの領域と深く関わっている臓器ですが、起業家に当てはまる脳マネジメントの領域は主に以下の3つです。
具体的には、以下のような取り組みをすれば自分が主体となって脳をうまくコントロールできるようになるとのこと。
使命 | 自分のやるべきことを定める |
日々のパフォーマンス | 自分のパフォーマンスがあがる言葉や行動を知っておく |
他人との関わり | お客様との出会いに感謝しその人の後の未来までを思い描く |
このように主体的に3つの領域にアプローチしていけば、今のビジネスが「自分にしかできないこと」に昇華され、心身共に充実した状態で仕事ができるようになるでしょう。
自分の「使命」を定めるための脳マネジメント
ここからは実践編として、まず自分の使命を定めるための脳マネジメントのポイントを紹介していきます!
脳マネジメントを上手く活用して、ぜひ自分だけの使命を作ってみてください。
- 自然に湧き上がる感情に目を向ける
- 使命は修正していきながら定めていく
- 一貫性のあるミッションを設定する
ポイント1.自然に湧き上がる感情に目を向ける
1つ目のポイントは、自然に湧き上がる感情に目を向けること。
特にこちらのような感情を深掘りしていくと、自分の使命作りのヒントが得られるそうです。
- 頑張らなくても自然とできることは?
- 思わず心が動いたり惹かれたりするものは?
- 違和感や許せないことは?
まず、頑張らなくても自然とできることには、私たちが持って生まれた重要な役割が隠されています。
当たり前すぎて見えづらくなっている場合もあるので、改めて考えてみると自分の使命を探す材料が見つかるかもしれません。
また勝手に涙が出てきたり、鳥肌が立ったりと「身体が反応するきっかけ」を把握することも大切。
特に「この人が前にいると違うモードになれる」「この人の話を聞くと力がみなぎってくる」など、人から得られる感動に自分の理想像を掴むヒントが隠されているそうです。
そして違和感を覚えることや、どうしても許せないこと振り返ると、自分の信念が見えやすくなるとのこと。
マイナスな感情だからといって無いものにすると自分にとって譲れないものがブレはじめ、使命が定めにくくなってしまいます。
ネガティブな感情もしっかりキャッチして、使命作りに活かしていきましょう!
ポイント2.使命は修正しながら定めていく
2つ目のポイントは「使命は修正しながら定めるもの」と自覚することです。
秋間さん曰く、まずは仮置きのフレーズを作って「とりあえず言ってみる!やってみる!」のが大切とのこと。
違和感があれば修正をして、少しずつ自分の使命を完成させていけば良いのです。
なお、最初は他人の使命を真似ても構いません。
しかし単に人から借りただけの言葉には魂やエネルギーが宿らないので、「自分の使命にしていく」という意識をもって言葉を磨いていくことが重要です。
ポイント3.一貫性のあるミッションを設定する
3つ目のポイントは、一貫性のあるミッションを設定すること。というのも、脳は一貫性のある行動を好む傾向にあるからです。
そのため使命を作る際は、過去・現在・未来をつなぐ物語が込められた一貫性のあるミッションを設定すべき。
秋間さん曰く、未来だけを見て設定した使命は誰でも思いつきそうな薄っぺらいミッションになるそうです。
自分なりの使命を作っていくためには、過去から現在までの苦難や辛い経験を乗り越えたエピソードを盛り込んだ内容にしていきましょう。
セールスに活かせる脳マネジメント
続いて、セールスに活かせる脳マネジメントを3つのポイントに分けて紹介していきます!
- セールスに対する無自覚の部分を深掘りしていく
- 正解主義より修正主義
- 購入者が捏造した物語を放置しない
ポイント1.セールスに対する無自覚の部分を深掘りしていく
1つ目のポイントは、セールスに対する無自覚の部分を深掘りしていくこと。
秋間さん曰く、日常生活の中で無意識に反応している出来事や感情を自覚するだけで、セールス本来の意味や魅力が見えてくるのだそうです。
具体的な深掘りポイントは、以下の3つ。
- 普段の買い物体験
- 「セールス」の定義づけ
- 違和感を放置しない
まずは自分が「このアイテムがどうしてもほしい!」と購買意欲のスイッチが入ったときのことを振り返ってみましょう。すると、購入者側の視点でセールスができるようになります。
また秋間さん曰く、セールスの定義は自分の買い物体験を振り返る中で発見していくもの。
本来セールスは、購入者が幸せを手に入れるためにあるビジネスの手法です。
もし「売られる」「売る」という窮屈な関係をイメージされている方は、もう一度セールスの定義づけを見直してみてください。
そして「今までのやり方だとうまくいかない」「客層が変化している気がする」など、セールス時の違和感を見逃さないことも大切です。
心の変化を自覚できれば改善策を練るためのアクティビティースイッチが入り、自分に合ったビジネススタイルを確立しやすくなるとのお話でした。
ポイント2.正解主義より修正主義
2つ目のポイントは、正解主義より修正主義という思考をもつこと。というのも、頭の中で正解を導き出すのと実際にやるのは全く違うからです。
そもそもセールスはオファーしないことには始まりません。よって、まずはやってみることが大切。
セールスを実践していく中で、修正したり方向性を変えたりしていけば良いのです。
ポイント3.お客さまが捏造した物語を放置しない
3つ目のポイントは、お客さまが捏造した物語(自分の過ちを正当化するための言い訳)を放置しないこと。
例えば、商品をプロモーションしたときに「やりたいけど、自分(自己流)でやります」というお客さまは必ず存在します。
そして自己流でうまくいかなかったときに、自分の選択ミスから逃れようと「やらなくて良かった言い訳」を探し始めるお客さまがいるのも事実…。
ただ、「“NO”と言った人たちの向こう側にある世界を思い描くだけで、私たちのパフォーマンスは変わる」と秋間さんはおっしゃいます。
つまり、お客さまが物語を捏造する行為を防ぐこともセールスの一部。
お客さまの不安に寄り添いつつ「そうではない物語がありますよ」「あなたに決断する力はありますよね」といった前向きな言葉をかけて、一歩を踏み出すお手伝いをしてあげましょう。
受講者の声
今回も、受講者の皆さまから多くのコメントをいただいております↓
主体者モードになって頑張ります!
改めて「自分の仕事は相手の人生を動かすものなんだな」と感じました!
その方の関わる人、家族、在り方すべてをイメージすることで自分の仕事への意識も変わります!
自分の使命をアップデートしたいです!
「脳の手綱を引いてビジネスをバージョンアップさせていこう!」という皆さまの前向きな気持ちが伝わってきて、運営一同感激しております!
まとめ
今回はCMM大学第10回水曜講義「起業家のための脳マネジメント」をお届けしました。
実は、脳マネジメントには「人間理解・自分理解」の裏テーマがあるとおっしゃる秋間さん。
人間は誰もが「脳」という同じ臓器をもっていますが、これまでの経験やそれぞれの脳の癖によって一人ひとりの生き方が異なります。要は、人間の数だけ考え方や意見の数もあるということ。
この事実を理解していれば「各々の違いは個性」と捉えられるようになるので、人との関わりがもっと楽しくなりそうですね!
秋間早苗さん、このたびは素晴らしい講義を開催してくださり、本当にありがとうございました!