CMM大学は、鈴木実歩さん主宰の継続サロン「CMM」のメンバーが、ビジネスが飛躍する専門知識を学び高め合う場として誕生したプラットフォーム。
月2回の水曜講義では、各分野の専門家からビジネスに役立つ高い見識を得られるとともに、学びや気づきをアウトプットしCMMメンバーと交流する時間も設けています。
CMMのサロンメンバーが講師を務めるCMM大学。
本記事では、2023年5月10日(水)10:00より開催された、第8回水曜講義の様子をお届けします!
講師・吉井りえさんのプロフィール
今回の講師を務めるのは、投資コーチの吉井りえさんです。
もともとは大手旅行会社の海外営業で15年間勤務し、朝から晩まで汗水垂らしながら働いていた吉井さん。
会社員時代にお子さまが生まれ、金銭面に不安を感じて投資を始められたそうです。
そこからコツコツと投資の勉強をして、スキルや成果をあげていったとのこと。
現在は投資による年収が会社員時代のなんと10倍になり、会社を経営する法人社長ママです!
起業家はお金の問題だらけ!?
そんな吉井さんが起業家に投資をおすすめするのは、以下4つのお金の問題を危惧してのこと。
- 世の中は会社員に有利にできている
- 個人事業主には厚生年金がない
- 稼げば稼ぐほど税金が増える
- インフレによってお金の価値が下がる
なお、ここでいう起業家とは個人事業主として起業した人を指します。
投資の魅力に迫る前に、起業家に立ちはだかるお金のリスクをみていきましょう!
1.世の中は会社員に有利にできている
まず、日本の労働者は9割以上が会社員であることに対して、個人事業主の割合を表す日本の開業率はたったの5%程度。
よって現在の日本社会は、労働者人口の大多数を占める会社員に有利な仕組みとなっており、少数派の個人事業主にはスポットが当てられていません。
一例として、個人事業主になると受けられなくなる保険や保証は、こちらの通りです↓
- 労災保険
- 失業保険
- 厚生年金
個人事業主は、その名の通り「個人で全てを賄う人」。
そのため怪我や病気で動けなくなったり、いきなり廃業の危機に陥ったりしたとしても国は守ってはくれません。
「起業すると収入が増えて夢がある!」と思いがちですが、実はこうしたリスクも伴うのですね…。
2.個人事業主には厚生年金がない
また、吉井さん曰く、とくに個人事業主が懸念すべきなのは公的年金制度だそうです。
20歳になると全国民に加入義務がある国民年金ですが、会社員や公務員になると厚生年金が追加され、将来もらえる年金額が増えます。
厚生労働省が発表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和3年度・国民年金の平均受取額は65歳以上で月額56,368円。厚生年金は月額145,665円です。
つまり会社員や公務員だと国民年金に加えて厚生年金を受け取れるため、毎月20万円ほどの収入が得られますが、個人事業主は国民年金のみ。月々の収入はわずか6万円弱です。
1ヵ月の生活費としては、かなり心もとない金額ですね…。
そのため個人事業主は、老後のことを考えて今からお金を貯めていく必要があるとのお話でした。
3.稼げば稼ぐほど税金が増える
そして個人事業主として起業するなら、累進課税の仕組みも知っておくべきです。
累進課税制度とは、所得と税率も比例して上がっていく制度のこと。つまり、たくさんお金を稼ぐ人ほど支払う税金が増えるのです。
例えば年収が5,000万円になった場合、そのうち45%を所得税として支払わなければいけません。
そこに住民税が加算されると、4,000万稼いだとしても手元に残るのは2,000万円以下…。
「年金をカバーするためにガツガツ働いて稼ぐぞ!」と意気込むのも良いですが、稼げば稼ぐほど税率も高くなっていくため、個人事業主は節税も意識していく必要があります。
なお第6回CMM大学水曜講義では、公認会計士の資格をお持ちの松原仁美さんが「起業初心者が知っておくべきお金の話」について講義してくださいました。
講義では節税のお話もされていたので、こちらもあわせてチェックしてみてください!
第6回CMM大学水曜講義のレポートはこちら
4.インフレによってお金の価値が下がる
さらに日本政府と日本銀行は現在2%の物価安定(※)を目標として掲げており、その影響で日本のインフレ(物価上昇)が進行しています。
経済活動や国民経済の基盤を作るために、毎年2%の物価上昇を目的とした取り組みのこと。2023年現在は、ガソリンや小麦粉、卵などの物価が高騰している。
ここで知っておくべきなのは、物価が上昇するとお金の価値が下がっていくこと。
例えば小麦粉の物価が20%高騰した場合、これまで100円当たり500g買えていたものが、400gしか手に入りません。
つまり以下の図のように、将来のためと思って貯めた100万円も2%ずつ物価が上昇していくと30年後には半分ほどの55万円の価値になってしまいます↓
ここで問題となるのが通称「老後資金2,000万円問題(※)」。
2019年6月、金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書で老後資金として約2,000万円が必要であると発表されたこと
このままインフレ率2%が続くと想定すると、30年後に年金生活が始まるのなら現在のお金でおよそ4,000万円(!)の貯蓄が必要なのです。
今すぐNISA/iDeCoを始めよう
なんとも悲しい現状ですが、そんな状況から抜け出せるのは「投資一択」だと話す吉井さん。
というのも投資で得た利益にかかる税金の上限は20%と決まっており、労働収入と比べて税率が低いから。
中でもNISAやiDeCoは非課税のため、特におすすめとのことです!
さらに吉井さんは、NISAとiDeCoの違いについてわかりやすく教えてくださいました。
上の表の通り、大きな違いは運用目的にあります。
iDeCoは将来の年金作りのための投資であるため、実際にお金を引き出せるのは60歳以上になってから。つまり途中でお金を動かせません。
一方でNISAは、積立型の投資のため好きなときに解約してお金を引き出せます。
それぞれに設けられているルールや運用期間を加味しながら、余裕をもって運用できるものを選択していくと良いでしょう。
なおNISAは、2024年から新体制に変更されることも決まっています↓
大きな変化は、年間の投資上限額。
現行のNISAでは年間の上限額が40万円〜120万円であることに対して、新NISAなら年間1,800万円まで投資できます。
上限額があがれば、投資の利益を増やせる可能性も高まるでしょう。しかもNISAは非課税なので、投資で得た利益には税金がかからないのです!
悩む暇があるなら全部やる!
とはいえ「将来は不安だけど、投資をやる自信がない…」「NISAとiDeCoどちらをやったらいいかわからない…」と思う方も多いのではないでしょうか?
今回の講義では、このように悩んだり考えすぎたりして立ち止まってる方に向けて、吉井さんが喝を入れる一幕もありました。
そのときの言葉が、こちらです↓
この言葉は吉井さんが「何か(ビジネスの成果)を得るためには何かを手放すべきか」と悩んでいたときに実歩さんからかけてもらった一言でした。
そして「なぜ“全部やる”意識が大切かと言うと、人生はあっという間だから」とおっしゃる吉井さん。
つまり、そのくらいの勢いがなければ、何も変わらないまま人生が終わってしまうのです。
今回の講義では吉井さんオリジナルの「人生マネープランシート」を使ってライフプランを見直す10分間のワークを行う時間が設けられていましたが、これも「この場で強制的にやってもらわないと誰もやらないから」という理由からでした。
実際にワークを行った受講生からは「今後の課題が可視化されて、人生の短さを痛感した!」といった感想が寄せられていました。
悩んだときは実歩さん語録「全部やるのよ!」を思い出して、積極的に行動していきましょう!
受講者の声
今回も、受講者からたくさんのコメントをいただきました↓
めざチアに出演されたときに、講座代を投資のお金で払われたという話を聞いてすごいなと思いました!
ありがとうございました!NISAに入っているのは私だけだったので、家族みんな入ります!全部やるのよ!
「全部やるのよ!」と実歩さん語録を引用したコメントも多く寄せられ、受講生のみなぎるパワーがひしひしと伝わってきました!
そして今回は、累進課税のお話の途中で実歩さんからもこのようなコメントが…!
わたし、人生の半分以上をタダ働きしているの(笑)
年商3億以上を叩き出している実歩さんからの言葉には、なんともいえない説得力がありますね!
まとめ
今回は、CMM大学第8回水曜講義「習得必須!起業家のための投資学」をお届けしました。
また講義中には「今後ビジネスで飛躍していきたいなら、教養として投資を学んでいくことも大切」と語っておられた吉井さん。
なぜなら、ビジネスのトップ層になると投資や経済の話が飛び交っているのが当たり前だからだそうです。
また「お金の話は苦手」「世界の経済状況は私には関係ない」といった姿勢でいたら、有益な情報を取りこぼしてしまいかねません。
将来のためにも今からアンテナを立てて、お金に関する情報をキャッチしていきましょう!
吉井りえさん、このたびは素晴らしい講義をしてくださり本当にありがとうございました!